早いもので、4月も最終週となりました。大型連休が近づいてきて、いろいろなお出かけ予定を考えておられる方も多いでしょうか?松花堂庭園も日に日に新緑が美しくなり、初夏の装いとなってきました。連休中は、4月30日(月・祝)は開館、5月1日(火)は休館となり、その後は5月6日(日)まで通常どおり開館いたしますので、ぜひご来園ください!
さて、少し久しぶりとなってしまいましたが、作品紹介をしたいと思います。今回取り上げるのは「辰砂酒次」(茶道資料館蔵)です。
以前、<作品紹介⑧>にて「辰砂盃」を取り上げましたが、同じ辰砂を用いていても、この2作品からはおそらく違った印象を受けるのではないでしょうか。「辰砂盃」は口縁部に辰砂釉がかかり、下にいくほど地の色が出ていました。一方「辰砂酒次」は逆に把手の部分が白く、胎器部分に辰砂がかかっているため、そのグラデーションのつき方の差が趣きの違いに結びついているようです。いずれもとても柔らかい雰囲気がありますね。
特にこの酒次は、横にふわっと広がった胎器に対して注ぎ口がとても短く、そのアンバランスさも可愛らしさを感じさせます。お酒の場にこの酒次が出てきたら、あまりの可愛さにそれだけでも話が盛り上がりそうです。
茶碗に酒次、香合、花入…いろいろな種類のやきものがありますが、どれも「どんな空間に置いてみたいかな」とか「どんな場面で使ってみたいかな」と様々な想像が膨らむものばかりです。春季展の会期も残り2週間を切りました。ぜひ、お好みの作品を見つけに来てください!
◎平成30年春季展「藤平伸 -やきものの詩人、茶陶に遊ぶ-」HP→こちら
藤平伸 -やきものの詩人、茶陶に遊ぶ-
松花堂美術館で開催する「平成30年春季展 藤平伸 -やきものの詩人、茶陶に遊ぶ-」の特設ブログです。展覧会情報や作品紹介などを発信していきます。
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