朝からどんよりとした曇り空でしたが、お昼を過ぎてさらに雲行きがあやしくなり、ついにさきほど雨が降りはじめました。雨が降ると庭園全体がしっとりとして、草木に雨露がつく様子も美しいもの…とはいえ、やはり晴れた青空が見たいなぁと曇りや雨の日には感じてしまいますね…。
そこで見ているだけでも楽しい気分になるような、そんな作品をご紹介したいと思います。「遊びをせんとや」(個人蔵)です。
現在開催している春季展では、陶芸家・藤平伸のやきもの作品だけではなく、書画も展示しております。あたたかみのある書画作品もやきものとはまた違った魅力があり、ご観覧いただいた方のアンケートでも印象に残った作品としていろいろな作品の名前があがっているのですが、この作品もそのうちのひとつです。
作品にゆったりとした字で書かれているのは、『梁塵秘抄』に収録されている歌の一首です。『梁塵秘抄』とは平安時代後期の歌謡集で、歌の撰者は後白河法皇です。『梁塵秘抄』のことは知らなくても、「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん…」というフレーズは聞いたことがある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『梁塵秘抄』の歌の周囲には雛人形や凧揚げをする子どもなどが描かれていて、作品全体から楽しそうな雰囲気が伝わってきます。歌が持つ本来の意味に加えて、藤平伸の書や絵が醸し出す楽しげな様子は、見ているわたしたちにも伝わってくるようです。
春季展の会期も残りあと3週間ですが、最後の1週間はゴールデンウィークでもあります。天気がよくても悪くても、きっと楽しいことがたくさんある素敵な期間に、ぜひ松花堂でも楽しいことを探しに来てくださいね。お待ちしております!
◎平成30年春季展「藤平伸-やきものの詩人、茶陶に遊ぶ-」HP→こちら
藤平伸 -やきものの詩人、茶陶に遊ぶ-
松花堂美術館で開催する「平成30年春季展 藤平伸 -やきものの詩人、茶陶に遊ぶ-」の特設ブログです。展覧会情報や作品紹介などを発信していきます。
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